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紀三井寺の桜

紀三井寺には約500本の桜の木が咲き誇り、特に京阪神では早咲きの桜の名所として有名です。和歌山地方気象台が指定した標本木(ソメイヨシノ)が本堂前にあり、近畿地方の春の訪れを告げる「春を呼ぶ寺」として知られています。 この桜にも言い伝えが残ります。かつて、為光上人が竜宮城を訪れた際に、龍神から7つの宝物を授かりました。その中に「七本桜」の苗木があり、これが現在の桜の名所の起源となったとされています。 有名な俳人・松尾芭蕉も紀三井寺の桜を詠みました。期待に胸を膨らませて訪れたものの、桜はすでに散り始めており、 「みあぐれば 桜しもうて 紀三井寺」 と詠んだ句が清浄水辺の句碑郡に残されています。 平成2年には、「日本さくら名所百選」に選ばれ、その美しさが全国的に認められています。